
電気の流れる箇所で作業を行う電気工事では、常に感電事故や転落事故などの危険が伴います。そのため、電気工事の現場においては、作業員の生命と健康を守るためにも十分な安全対策が必要です。
そこで今回は、電気工事における安全対策の重要性をまとめるとともに、実際にどのような対策を講じるべきかについて解説していきます。電気工事の現場でどう安全面に配慮すればよいかお考えの電気工事事業者様の参考になる内容となっていますので、ぜひ参考にご覧ください。
電気工事における安全対策の重要性
電気機器や配線などを直接扱うことの多い電気工事においては、一瞬の油断が取り返しのつかない事故につながる可能性があります。そのため、現場では十分な安全対策と作業者の高い安全意識が求められています。
特に、電気工事の現場においては、感電事故や転落事故のリスクが非常に高いのが特徴。現場の状況や電流の大きさによって被害の程度はさまざまですが、ちょっとした油断が作業員だけでなく通行人の怪我や命の危険につながるほか、火災などの二次災害を発生させる危険性もあります。
特に、電気を取り扱う工事においては、ちょっとした油断が事故につながります。そのため、ヒヤリハット事例を分析して要因を特定しておくことが、電気工事における安全対策の一つとなるのです。
次から電気工事におけるヒヤリハット事例について、どのようなシーンで発生したのか、またその原因と対策をご紹介していきますので、安全計画の参考にご覧ください。
そのため、電気工事を行う際には、現場ごとに適切な安全対策を講じるほか、作業員への安全教育を行うことが非常に重要なのです。
電気工事における安全対策のポイント

漏電による感電事故や火災、転落による怪我や物損事故など、さまざまな危険と隣り合わせともいえる電気工事。では、その現場では具体的にどのような安全対策を行えばよいのでしょうか?
安全対策1:作業前の確認・点検
電気工事の安全対策として、一番重要ともいえるのが作業前の確認・点検です。
実際の工事現場では、事前に共有されていた図面と現場の状況が違っていることも少なくありません。例えば、機器の配置が異なっていたり、図面にない部品や配線があったりするケースもあるため、もし、作業者の把握していない機器の電源がオンになっていたとしたら、思わぬ感電事故を起こしてしまう可能性もあります。
また、高所や暗所で作業を行う際には、電気周りの確認だけではなく、足場が安定しているかどうか、作業に必要な明るさは確保できるかなども確認しておきましょう。
電気工事においては、作業前の点検や確認を怠ったがゆえに発生したヒヤリハット事例も多数存在します。そのため、作業前には、作業に使用する機器や工具類を点検するのはもちろん、図面や電源の状態、作業場所の安全性をあらかじめ確認しておくことが、安全対策の一つとなります。
安全対策2:安全装備の適切な使用
電気工事を行う際は、作業服や保護具などを適切に装着しておくことも安全対策の一つとなります。
配線接続作業において、分電盤内のスイッチに配線を接続しようとした際、そちらの配線が接続されていないにもかかわらず、既にブレーカーがオンになっていた。もし、それに気付かずに分電盤のスイッチにケーブルを接続していれば、感電する危険があった。
例えば…
- 高電圧の作業を行う場合は、長袖の作業服に加えて絶縁用の手袋や靴などを着用する
- 感電する恐れがある場合は、絶縁シートや絶縁用のゴム管を使用して万が一の感電事故を防ぐ
- 高所で作業を行う場合は、落下防止用の安全帯を装着する
- 高温になる場所で作業を行う場合は、小型ファンが付いた作業服を着用する …など
作業員の安全を守るためには、現場の状況や作業内容に合わせて、適切な装備で作業を行うように徹底させておきましょう。
安全対策3:作業環境の整備
電気工事における安全対策では、作業環境を整備しておくことも重要です。
例えば、工具類が床に置かれている、部材があちらこちらに散乱している…など、作業場所が散らかっている場合は、まず整理整頓してから作業エリアを確保しましょう。その上で、足場や手すり、転落防止ネットなどを設置し、作業者の身の安全を守ります。
また、特に屋外での作業時においては、天候の変化も作業環境に影響します。
突然の風や雨などの影響で事故が起こらないよう、天候による作業環境の変化やそれに伴うリスクを予測し、作業の中止基準を明確化しておきましょう。
安全対策4:コミュニケーション・相互確認の徹底
電気工事を安全に行うには、周囲とのコミュニケーション・相互確認も欠かせません。
特に複数人で作業を行う際は、電源やブレーカーのオンオフ、作業手順の変更などが重大な事故につながる可能性があります。そのため、作業者全員が同じ情報を持っておくことが、安全対策になるのです。
ですので、電気工事中のミスや事故を防ぐためにも、作業前には作業内容や工程を関係者全員で共有する、作業中には互いに声掛けを行う…など、コミュニケーション・相互確認を徹底するようにしましょう。
安全対策5:安全教育の実施
作業前の確認・点検、安全装備の適切な使用など、電気工事における安全対策についてご紹介してきましたが、リスクを回避するためには、電気工事にかかわる全ての人が、高い安全意識を持つことが何よりも重要です。
電気工事においては、ちょっとした油断や知識不足が大きな事故を招いてしまう可能性もあります。 そのため、
- 安全管理に関するマニュアルを作成して定期的に研修を行う
- 電気に関する知識を身に付ける
- 過去のヒヤリハット事例を社内で共有する
- 何かあったときにすぐに共有・報告できる環境を整える
…などを行い、日頃から作業員の安全意識を育てていくことが大切です。
なお、実際のヒヤリハット事例については、こちらの「電気工事にはどんなヒヤリハット事例がある?現場における代表的なヒヤリハットの原因と対策は?」で詳しくまとめていますので、安全教育を行う際の参考にご覧ください。
また、電気工事会社様のためのDXツール「DEN-UP」では、施工管理や写真共有に役立つアプリに加えて、学びのコンテンツ「電気工事のまなび場」を提供。電気工事のプロたちの知恵・知識・ノウハウが蓄積されているので、若手や新人の安全教育にも役立てることができます。
電気工事の現場においては、どういった行動が感電や転落事故につながる可能性があるのかを知ることが、安全対策の一歩となります。近年では、「DEN-UP」のような簡単に情報が共有できたり電気工事の知識が学べたりする便利なサービスもあります。安全に対する意識を高めていくためにも、それらを上手く活用し、気軽に意見や情報が交換できる環境づくりを検討してみてはいかがでしょうか?
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