
公共か民間かを問わず、ほとんどの工事現場では工事写真の撮影と保管が求められます。
それでは、万が一工事写真を撮り忘れてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか。
そこで今回は、工事写真を撮り忘れたらどうすればいいのかについて、工事写真を撮り忘れることのリスクや撮り忘れ防止に役立つ対策、アプリなどの情報と一緒に解説していきます。
工事写真を撮り忘れた場合の適切な対応や、撮り忘れ防止のためにできることを確認しておきたいという工事業者様は、ぜひ参考にご覧ください。
- 1.工事写真の必要性とは?撮影の目的について
- 2.もし、工事写真を撮り忘れるとどうなる?
- 3.工事写真を撮り忘れた場合の適切な対処方法まとめ
- 4.写真を撮り忘れた場所と工事内容を確認する
- 5.ほかの工事関係者に写真の提供を依頼する
- 6.工事作業をやり直して工事写真を撮影する
- 7.ほかの情報や過去の記録をもとに報告書・資料を作成する
- 8.工事写真の撮り忘れを防ぐためにできること4つ
- 9.【工事写真の撮り忘れ防止策1】撮影計画を立てておく
- 10.【工事写真の撮り忘れ防止策2】作業計画に撮影を入れておく
- 11.【工事写真の撮り忘れ防止策3】撮影の担当者を決めておく
- 12.【工事写真の撮り忘れ防止策4】スマホやアプリの機能を使う
- 13.工事写真の撮り忘れ防止に役立つ写真管理アプリの例
- 14.電気工事のDXトータル支援サービス「DEN-UP(デンナップ)」
工事写真の必要性とは?撮影の目的について

まずは、工事をする上で工事写真が必要となる理由について、改めて確認していきましょう。工事における写真の必要性、撮影の目的としては、以下のようなものが挙げられます。
- 工事の進捗を客観的かつ詳細に記録し、全体の状況や計画とのズレを把握するため
- どこをどのように工事したのかや、設計図に沿った施工をしたことを証明するため
- 発注者や監督者に工事の進捗や現場の状況をわかりやすく、また正確に伝えるため
- 施工ミス等の問題点や欠陥を迅速に見つけ出し、原因や時期を特定して対処するため
- 災害や第三者の過失による損害、トラブルが起きた際に工事業者の正当性を証明し、保証を受けられるようにするため
施工前・施工中・施工完了後の各段階で工事写真を撮影しておけば、工事がどのような工程やスケジュールで行われたのか、また工事の内容・品質などを記録として残すことができます。 工事写真は、工事の記録や品質管理を目的として撮影されるほか、発注者や監督者に施工状況を正確に伝えたり、工事業者をトラブルから守る役割も担っていると理解しておきましょう。
もし、工事写真を撮り忘れるとどうなる?
工事写真は、公共工事においては撮影することが義務付けられているほか、補助金や助成金の申請を予定している工事の施工時も原則、撮影が必要になります。また民間工事においても、報告書への貼り付けやトラブルの回避を目的に、工事写真を撮影・保管するのが一般的です。
そのため、工事写真の撮影が必要なタイミングや工事箇所であったにもかかわらず、工事写真を撮り忘れてしまった場合は、工事業者にとって以下のようなリスクがあると考えられます。
- 関係者や協力会社とのコミュニケーション、情報共有がうまくいかなくなってしまう
- 工事の品質を証明できず、再施工や工事の遅延、追加の費用が発生する恐れがある
- 施工ミスが発覚した時に、その原因や発生時点の特定、修理等の対応が遅れてしまう
- 災害等のトラブルによる被害を証明できず、対策にかかったお金を請求できなくなる
- 発注者や監督者に提出する資料の質が低下し、自社との信頼関係が損なわれてしまう
- 工事対象が住宅等の建築物の場合は、「検査済証」が発行されなくなることがある
- 工事写真の不足や不備のために、工事への補助金・助成金が受けられなくなることも
工事写真を撮り忘れた場合の適切な対処方法まとめ
ここからは、現場で工事写真を撮り忘れてしまった場合にできること、適切な対処法について具体的に5つ紹介していきます。万が一、工事写真を撮り忘れてしまった時のために、ひと通り確認しておきましょう。
写真を撮り忘れた場所と工事内容を確認する
まずはどの段階で、どこの工事写真を撮り忘れたのかを確認し、その情報を図面や報告書等に詳細に書き留めておきます。そして撮り忘れた工事箇所が特定できた場合は、工事用の小黒板などに具体的な撮影日時を記入した上で、その時点での現場写真を撮るようにしてください。
施工中、または施工完了後であっても、撮り忘れに気付いた時点で工事写真を撮っておけば、工事の内容や進捗状況を記録する証拠の一つとなるため、発注者や監督者に出す報告書の作成や補助金・助成金の申請に役立つ場合があります。
ほかの工事関係者に写真の提供を依頼する
複数の工事業者が出入りする現場では、自社が撮り忘れてしまった工事写真を他社の現場監督や作業員、たまたま現場に来ていた発注者などが偶然撮影しているというケースもあります。
そのため工事写真を撮り忘れてしまった時は、自社が求める工事写真を持っていないか、また共有してもらえないかについて、ほかの工事関係者にひと通り聞いてみると良いでしょう。
工事作業をやり直して工事写真を撮影する
法律上、または契約上なくてはならない工事写真を撮り忘れた場合は、重大なトラブルに発展する恐れもあるため、工事をやり直してでもきちんと写真を撮影することをおすすめします。
再施工・再撮影を行えば、その分工期が延びて追加費用がかかりますが、施工が完了してから工事をやり直すよりは、撮り忘れに気付いた時点で対処した方が少ないコストで済みます。 工事の性質や契約内容によっては、再施工・再撮影することも前向きに検討してください。
ほかの情報や過去の記録をもとに報告書・資料を作成する
工事の種類や契約条件によっては、工事写真を撮り忘れても、ほかの証拠や資料等で工事の内容や品質、進捗状況を間接的に証明できれば、再撮影までは求められないケースもあります。
資料や報告書を添えて工事写真の不足を補う場合は、過去の記録等も参考にした上で報告書を作成して発注者と監督者に提出・謝罪し、誠実な姿勢で状況の説明に臨みましょう。
【関連記事】「工事完了報告書とは?作成時の注意点や工事写真台帳との違い」
工事写真の撮り忘れを防ぐためにできること4つ

ここまでに見てきた通り、工事写真は工事の進捗状況や品質の確認・証明に欠かせません。
そのため工事業者には、工事写真を撮り忘れてしまうことがないように対策を講じておくことが求められます。
そこで以下からは、工事写真の撮り忘れ防止に効果的な対策について4つ紹介していきます。
【工事写真の撮り忘れ防止策1】撮影計画を立てておく
工事中は日々現場の状況が変化するため、作業に追われて工事写真の撮影タイミングを逃してしまいがちです。そこでおすすめしたいのが、施工を始める前に、工事全体における撮影計画を立てておくことです。
着工前に工事写真の撮影計画を立てる際のポイントとしては、以下が挙げられるでしょう。
- 施工後に隠蔽される基礎工事部分等、重点的に撮影するべき箇所を確認しておく
- どこで、どのようなことに注意して各工程の工事写真を撮影するのか整理しておく
- 今回の工事における工事写真撮影要領を考慮した上で、撮影計画を具体化していく
- 撮影箇所や写真に納めるべき被写体の範囲・角度まで、図面に落とし込んでおく
- 工事箇所別に、各工程の写真を撮ったかを確認するチェックリストを作っておく
【工事写真の撮り忘れ防止策2】作業計画に撮影を入れておく
現場の1日の作業計画の中に「工事写真の撮影」を組み込んでおくと、自社はもちろん、現場に出入りする関係者全員に撮影スケジュールを周知できるため、撮り忘れ防止につながります。
なお作業計画に工事写真の撮影を組み込む際のコツとしては、以下のようなものがあります。
- 朝礼後、昼休みの前後、終業前など、撮影のタイミングをある程度決めておく
- できれば撮影タイミングだけでなく、撮影箇所も作業計画に具体的に記入する
- 作業計画への記入と併せ、ミーティング等でも関係者に撮影予定を伝えておく
【工事写真の撮り忘れ防止策3】撮影の担当者を決めておく
工事写真の撮り忘れを防ぐには、撮影担当者を明確に決めておくことも効果的です。
撮影の計画とスケジュールの把握、当日の撮影と写真の管理まで、工事写真に関わるタスクを同一の担当者が行うようにすれば、役割分担が明確になり撮り忘れのリスクを低減できます。
なお工事写真の撮影は、経験豊富で工事の流れや工事写真の撮り方、適切な画角等を把握しているベテランの社員や作業員、工事管理者等に担当してもらうのが望ましいでしょう。
【工事写真の撮り忘れ防止策4】スマホやアプリの機能を使う
しっかりとスケジュールを立てても、撮影予定そのものを忘れてしまうという場合は、スマホのアラーム機能を使って工事写真の撮影タイミングをリマインドするのがおすすめです。
また電子小黒板アプリや写真管理アプリ等、スマホやタブレットでの工事写真の撮影に役立つアプリを導入すれば、工事写真の撮影・管理にかかる手間を減らすことができます。いろいろと対策しても工事写真を撮り忘れてしまうという場合は、アプリの力を借りて工事写真を撮影・管理することへの心理的ハードルを下げてみるのも良いかもしれません。
工事写真の撮り忘れ防止に役立つ写真管理アプリの例
ここからは、電気工事会社様のDXトータル支援サービス「DEN-UP(デンナップ)」へのお申込みで利用が可能になる「PhotoManager」を例に、工事業者向けの写真管理アプリの特徴について紹介していきます。
「PhotoManager」の機能のうち、特に工事写真の撮り忘れ防止に効果的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 図面上の工事箇所に紐づけて着工前、施工中、完成後の各時点の写真を保存できる
- 同じ地点の工事写真を撮影する時は、過去の写真を表示して画角調整をサポート
- アプリを起動して工事写真を撮影すれば、画面に電子小黒板を合成して撮影できる
撮影計画に基づき、アプリ内の図面に工事写真の撮影箇所を登録しておけば、現場で写真を撮り忘れてしまうリスクはかなり低減できるでしょう。
またスマホやタブレットで手軽に工事写真を撮影したり、過去に同じポイントで撮った写真をもとに画角調整ができるようになれば、まだ経験が浅い職人や作業員にも工事写真の撮影担当を任せられるようになるというメリットもあります。
工事写真の撮り忘れを減らしたい、また撮り忘れを減らすために工事写真の撮影・管理にかかる手間や心理的な負担を減らしたいと考えているなら、工事写真用の管理アプリの導入もぜひ積極的に検討してみてください。
撮り忘れ防止に役立つ独自機能も!写真管理アプリ「PhotoManager」の詳細はこちら
電気工事のDXトータル支援サービス「DEN-UP(デンナップ)」

DEN-UPは、電気工事会社様に寄り添い、課題やお悩みをDXで解決するためのトータル支援サービスです。異なる機能を持つ以下のアプリケーションをまとめてご利用いただけます。
- 施工管理に役立つ「KANNA」
- 写真管理ができる「PhotoManager」
- 人材育成を支援する「電気工事のまなび場」
- ビジネスマッチングの「CraftBank」
DEN-UPなら、各ツールで登録した案件を紐づけて管理・閲覧できる「DEN-UP
ConnecT」という独自機能を使ってKANNAとPhotoManagerを連携させることにより、案件情報と現場の写真を一元管理することも可能です。
「DXに興味があるけど、何から始めればいいのかわからない」「直感的に使用できる、操作しやすいツールでDXを進めたい」とお考えの電気工事業者様は、電気工事にまつわる業務の効率化と生産性の向上、人手不足解消に役立つDXツール・DEN-UPの導入をぜひご検討ください!
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