
電気工事現場において、日報は現場の作業状況の確認や安全管理、コスト削減などに欠かせない重要な記録です。
しかし、作成方法や活用の仕方に悩む現場は少なくありません。
そこで本記事では、工事日報の目的や書き方、記載項目のテンプレート、運用のポイントから、よくある課題とその解決策、デジタルツールを活用した効率的な運用方法まで詳しく解説します。また、おすすめのDX支援アプリもご紹介します。
日報の管理や運用でお悩みの方、現場のDX化を検討中の方は、ぜひ参考にご覧ください。
- 1.工事日報の目的と役割
- 2.工事日報の作成は義務?
- 3.工事日報をつけるメリットと活用ポイント
- 4.労働環境の改善
- 5.労務管理を効率化
- 6.コスト削減
- 7.トラブル防止
- 8.若手社員の教育・引き継ぎ資料
- 9.工事日報の記載項目と記入のポイント
- 10.記入しておくと役立つ項目は?
- 11.日報を記録するタイミングは?
- 12.現場でよくある工事日報の課題と解決策
- 13.工事日報にありがちな課題
- 14.課題の背景に潜む問題点
- 15.スマホを使った日報業務のデジタル化
- 16.日報を活かす環境を育てる
- 17.工事日報の作成に活用できるデジタルツール
- 18.施工案件の情報管理ツール「KANNA」
- 19.工事黒板アプリも完全連携!電気工事用DXツールなら「DEN-UP(デンナップ)」
工事日報の目的と役割
工事日報とは、工事現場の作業内容や目標、進捗状況、作業員の人数、労働時間、天候、使用資材などを日ごとに記録する報告書です。現場管理者や施工管理者が作成し、現場の状況を社内で共有したり、元請けや発注者への報告に使用されたりします。
そして、工事日報の主な目的は、現場の状況を見える化することや、関係者間の情報共有と連携をはかること、現場の品質と安全性を保つこと、トラブル発生時の記録・証拠として機能させることです。
【工事日報の主な目的】
- 現場の状況を見える化すること
- 関係者間の情報共有と連携をはかること
- 現場の品質と安全性を保つこと
- トラブル発生時の記録・証拠として機能させること
これらに加えて、特に直行直帰の現場では労働時間の把握など勤怠記録としても活用できますし、ミーティングの代替手段としても役立ちます。
工事日報の作成は義務?
法律上、工事日報の作成義務はありません。しかし、公共工事や大手企業との取引では、提出を求められることがほとんどです。
また、建設業法や労働安全衛生法に基づく管理記録としても機能するため、業界内では実質的に「必須」の運用となっています。
なお、書式に決まりはなく、自社で管理しやすいフォーマットでかまいません。
工事日報をつけるメリットと活用ポイント

工事日報は経営側にとって現場の実態を掴む数少ない資料のひとつで、さまざまなメリットがあります。活用ポイントとあわせて見ていきましょう。
労働環境の改善
作業時間や休憩時間の記録が残るので、過重労働や働きすぎの抑制につながります。安全管理の観点でも、事故やヒヤリハットの傾向が把握できるため、改善策の立案に役立ちます。
さらに、働きやすさが向上すれば、離職防止や生産性アップも期待できるでしょう。
労務管理を効率化
従業員の出勤状況や担当業務の把握ができるので、給与計算や労務の管理がスムーズに行えます。また、現場を担当する作業員の配置管理にも便利です。
さらに、心身の健康や勤怠状況、人間関係なども把握しやすくなります。
コスト削減
工事日報に進捗状況や使用した材料・資材、作業時間などを記録することで、作業の無駄がわかり、人件費や資材費の削減につながります。原価管理がしやすくなるので、見積もりの精度向上にも役立つでしょう。
トラブル防止
工事日報に天候や作業内容など日々の詳細な記録を残しておくことで、万が一、トラブルやクレームが発生した際には原因の特定に役立ちますし、「やった/やっていない」といった主張の裏付けとしても活用できます。
さらに、工事日報を通じて、作業の遅れや予算の超過といった兆候が早期に把握できるため、納期遅延やコスト超過の予防にも効果的です。
若手社員の教育・引き継ぎ資料
作成した日報をもとに先輩社員がフィードバックを行えば、若手社員のスキル向上にもつながります。また、作業の引き継ぎ資料としても活用が可能です。
工事日報の記載項目と記入のポイント
日報に記載すべき内容は業種や現場によって多少異なりますが、以下のような項目が盛り込まれているのが理想です。
- 現場名・担当者名
- 作業日・天候・気温
- 目標
- 作業内容・進捗状況
- 作業員の人数と氏名
- 使用機材・資材
- 問題点や事故の有無
- 明日の予定や注意点
これらを記載しておくことで、現場全体の状況が一目で把握でき、報告書や写真台帳の作成など、次の工程もスムーズに進められます。
【関連記事】工事写真台帳の作り方とは?効率的に台帳作成するための6つの手順をご紹介
記入しておくと役立つ項目は?
上記の項目に加えて、作業の振り返りや反省、安全確認や災害防止への取り組み、上司・上長のコメントがあれば、より活用度の高い日報になります。
中でも作業時の小さな気づきや、現場での判断の背景などを記録しておくことはとても重要で、後から「なぜそう判断したのか」「どんなリスクがあったのか」といった状況の確認がしやすくなりますし、作業内容やスキルの見える化にもつながります。
日報を記録するタイミングは?
基本的には「その日の作業終了後」に記録するのが理想です。作業が終わってすぐのタイミングで記録すれば、記憶が薄れる心配がないので正確な情報が残せます。
現場でよくある工事日報の課題と解決策

工事日報は、正しく活用することで現場の改善に大きく貢献しますが、実際にはうまく機能していないケースが多く見られます。
ここでは、現場でよくある工事日報の課題とその背景にある問題、解決に向けた方法について詳しく見ていきましょう。
工事日報にありがちな課題
工事日報は詳細に記録するのが理想ですが、実際の運用現場ではさまざまな課題があります。
たとえば、
- 日報を書くのに毎日30分以上かかり残業になる
- 記載方法が人によってバラバラで読みづらい
- 紙での運用のため保管・整理に手間がかかる
- パソコンの操作が苦手で入力作業が負担になっている
といった問題はよくあるケースです。
また、上司や上長からフィードバックがなかったり、そもそも目を通すことすらしていなかったりする場合は、「どうせ誰も見ていないし……」と思われて、記入がおざなりになってしまうことも考えられるでしょう。
課題の背景に潜む問題点
これらの課題の背景には、そもそも「なぜ日報が必要か」という目的が現場で共有されていない可能性が考えられます。また、書き方に明確なルールがなく個人任せになっている現場では、人によって記録の質と量にバラつきが生まれやすく、作業にかかる時間にも差が生じてしまいます。
さらに、管理者側がチェックやフィードバックを行う仕組みが整っていない・時間が確保されていないのも問題です。書いた内容が放置され大きなトラブルに発展したり、社員のモチベーション低下に直結する恐れも考えられます。
スマホを使った日報業務のデジタル化
このような工事日報の課題を解決する手段として有効なのが「スマホやタブレットを使った日報業務のデジタル化」です。
日頃から使っているスマートフォンで入力できるため操作が簡単で、現場や移動中など場所を選ばず記録が可能です。またデータはクラウドに自動保存されるので管理もしやすく、社員間の情報もリアルタイムで共有できます。
さらに、工事現場に特化したDX支援ツールを使えば、日報に加えて、写真や図面の添付、キーワード検索などにも対応しており、日報の質と活用度が向上するだけでなく、現場全体の業務効率や品質改善にもつながります。
なお、導入の際は現場の規模や業務フローに適したツールを選定することがポイントです。あわせて、導入コストや料金体系も比較検討し、無理なく運用できるものを選びましょう。
【関連記事】現場の業務を効率化!工事写真の管理ソフト・アプリでできること・選ぶ際の注意点とは?
日報を活かす環境を育てる
日報の価値を高めるには、単にシステムを導入してDX化するだけではなく、「記録が活用されている」と社員1人ひとりが実感できる環境づくりも大切です。
たとえば、管理者が日報の内容をしっかり読んでコミュニケーションを取る、良い事例や成果を全体で共有する、従業員からの意見やアイデアを現場で積極的に取り入れるなどがあげられます。
このように、日報を単なる義務で終わらせないことが「日報を活かす環境」を育てていくといえるでしょう。
工事日報の作成に活用できるデジタルツール

DX化の一貫としてエクセルなどで日報を管理する企業も多くありましたが、近年はメッセージアプリやチャットツール、アンケートフォームなどを活用しているケースが増えています。
これらのツールは無料であったり、比較的安い料金で手軽に使えるのがメリットである一方、現場に必要な機能が備わっているかを見極めることが大切です。苦労して導入したにもかかわらず、結局うまく活用できなかったら元も子もありません。
そこでおすすめなのが、さまざまな機能が一元管理できるDX支援アプリ「KANNA」です。
施工案件の情報管理ツール「KANNA」
「KANNA」は、案件別に顧客や物件情報を一括管理する、施工案件の情報管理アプリです。
日々の工事内容や工事に関する報告事項の記録をはじめ、工事写真や図面などの案件に関わる各種資料の管理、スケジュール共有や進捗状況の登録、チャット機能を使った関係各所とのやり取りなど、さまざまな業務を行うことができます。
【KANNAの特徴】
- スマホで簡単に入力・報告できる
- 報告はリアルタイムで確認OK
- 日報のテンプレートはカスタマイズ可能
- CSVでエクスポートして集計が可能
- 勤怠管理も可能!
操作方法も一般的なチャットツールなどと変わらないので、「何からDXに着手すべきかわからない」「デジタルに不慣れな作業員でも簡単に使用できるDXツールを探している」という電気工事会社様におすすめです。
電気工事のDXトータル支援サービス「DEN-UP(デンナップ)」

DEN-UPは、電気工事会社様に寄り添い、課題やお悩みをDXで解決するためのトータル支援サービスです。異なる機能を持つ以下のアプリケーションをまとめてご利用いただけます。
- 施工管理に役立つ「KANNA」
- 写真管理ができる「PhotoManager」
- 人材育成を支援する「電気工事のまなび場」
- ビジネスマッチングの「CraftBank」
DEN-UPなら、各ツールで登録した案件を紐づけて管理・閲覧できる「DEN-UP
ConnecT」という独自機能を使ってKANNAとPhotoManagerを連携させることにより、案件情報と現場の写真を一元管理することも可能です。
「DXに興味があるけど、何から始めればいいのかわからない」「直感的に使用できる、操作しやすいツールでDXを進めたい」とお考えの電気工事業者様は、電気工事にまつわる業務の効率化と生産性の向上、人手不足解消に役立つDXツール・DEN-UPの導入をぜひご検討ください!