
工事現場で撮影される写真は、発注者への報告や検査資料としてだけでなく、施工不良の防止や品質確認、トラブル時の証拠としても重要な役割を担います。
しかし、現場で撮影した写真を適切に整理・保管できていないと、支払いの遅延や信頼低下など、思わぬトラブルを招く恐れがあります。
そこで今回は、工事写真管理の目的や怠った場合のリスクを踏まえながら、現場で使われている主な写真管理方法を4パターン紹介します。さらに、近年注目されているDXツール「DEN-UP(デンナップ)」を活用した効率的な写真管理の方法についても解説します。
写真管理の目的は?怠るとどうなる?
工事現場で日々撮影される大量の写真は、単なる記録ではなく、発注者への報告や検査資料としての活用はもちろん、施工不良や災害時の証拠、関係者間の進捗共有、材料や仕上がりの品質確認など、現場運営を支える重要な役割を果たします。
工事写真が不足している場合、代金の支払いが遅れたり減額されたりと売上に直結する可能性があります。特に公共工事や補助金申請においては、必要な写真が揃わない・信憑性が証明できないと、補助金の交付が認められないケースも考えられます。
この他にも、トラブル発生時の原因究明や責任の所在の特定が困難になったり、写真管理に不備が多いと「ずさんな現場管理」という印象を与えかねません。そうなると、信頼関係が損なわれるどころか、今後の取引機会を失う恐れもあるので注意が必要です。
このようなリスクを回避するために、施工管理では、現場で撮影した写真を正しく整理・保存し、必要な時にすぐ活用できる状態にしておくことが求められます。
工事写真の管理方法は主に4パターン
工事写真の管理方法は、大きく分けて4つのパターンに分類されます。
- 印刷・アナログ保管
- ローカル/外部メモリ
- オンラインストレージ(クラウドサービス)
- 工事写真管理アプリ/施工管理アプリ
それぞれに、メリット・デメリットがあり、また工事の規模や作業内容によっても向き・不向きがあります。以下で工事写真の管理方法について詳しく解説します。
工事写真の管理方法①:印刷・アナログ保管

印刷・アナログ保管とは、工事写真を印刷して台帳にファイリングし、紙ベースで管理する方法です。
建築業界や電気工事業界ではデジタルデータでの納品も増えてはいるものの、アナログで管理する現場も数多く残っています。特に紙ベースで提出を求められる現場では、印刷して管理するほうが後々の整理が楽になることもあります。
メリット
印刷・アナログ保管の最大のメリットは、そのシンプルさと視認性の高さです。
電源や機器を必要とせず、ファイルを開けば直感的に写真が確認できます。ITに不慣れな方でも扱いやすく、複数の写真を広げて現場状況を俯瞰して確認しやすいといえるでしょう。
また、印刷された写真は改ざんが困難で証拠としての信頼性が高く、手書きでのメモ追記も容易です。データではなく形あるモノとして物理的に保管するため、セキュリティも確保しやすいです。
デメリット
印刷・アナログ保管の最大のデメリットは効率の悪さです。
写真の印刷、カット、貼り付け、ファイリングといった一連の作業に膨大な手間と時間がかかり、さらに現場規模が大きくなると、保管に必要な物理的なスペースが膨大になり、消耗品コストも継続的に発生します。
また、デジタルデータのようなキーワード検索ができないため、必要な写真を手作業で探すことになるのも労力がかかります。加えて、関係者に共有する際もファイルを物理的に渡す必要があり、経年劣化や紛失・破損のリスクも伴います。
工事写真の管理方法②:ローカル/外部メモリ

工事写真をパソコンのローカルフォルダやUSBメモリ、外付けHDD/SSDなどの外部メモリに保存する方法は、現在も多くの現場で採用されています。
メリット
PCのローカルフォルダや外部メモリで保管する方法のメリットは、ネットワーク環境に依存しないことです。インターネット接続やログインが不要なため、現場や電波の悪い場所でも写真の閲覧・編集が即座にできます。
また、既存のPCストレージや一度購入する外部メモリを利用するため、月額費用などの追加運用コストがかからない点も魅力だと言えるでしょう。容量が不足した場合も、外付け機器を使えば大容量の保存領域を比較的安価に確保できます。
デメリット
対して、PCのローカルフォルダや外部メモリで保管する方法はデータの消失リスクが高いのが課題です。データが一箇所にしかないため、PCや外部メモリの故障、盗難、水没、誤削除などが発生すると、データが完全に失われる危険性が高いといえます。
これを避けるためには、別の方法と組み合わせて、定期的なバックアップが必須となります。
また、リアルタイムでの共有が難しく、データ移動には外部メモリの受け渡しやメール送信など、手間と時間がかかります。特にUSBメモリなどは紛失・盗難のリスクが高く、情報漏洩の原因になりやすい点も大きな欠点です。
さらに、名前の付け方やフォルダ分けが人によってバラバラだと、検索した際にヒットしにくくなるため、結局探す手間が発生してしまいます。フォルダの分け方や、命名規則(例:【日付_現場名_工程名】)を組織全体で標準化するなどの工夫が必要です。
工事写真の管理方法③:オンラインストレージ(クラウドサービス)

近年、オンラインストレージを利用した管理方法が工事事業を行う各社で導入が進んでいます。
オンラインストレージとは、インターネットを経由するクラウドサービスで、ローカルや外部メモリと違って、関係者が各自で保存先にアクセスできるので、データの一元管理が可能となります。
データを一元管理する方法には、NAS※1やVPN※2のようなインフラ構築型と、オンラインストレージなどのインターネットを経由するSaaS(Software as a Service)型※3があります。
NASやVPNは、工事写真を管理する上で重要な「いつ・どこで・何を記録したかを正確に証明し、最終的に台帳として提出する」という目的を果たすのが難しいといえます。また、運用には専門的なIT知識を持つ担当者が必須のため、多くの中小企業には不向きといえるでしょう。
対してクラウドやオンラインストレージのようなSaaS型サービスは、インターネットを経由するのでリアルタイムで写真データを保管・共有することができ、複雑なサーバー運用やシステム管理の負担を負うことなく、必要な機能だけをサービスとして利用できます。
※1 Network Attached Storageの略で、ネットワークに直接接続して使用できるデータ保存用の記憶装置。
※2 Virtual Private Networkの略で、インターネット上に安全な「専用の通信トンネル」を作り、データを暗号化してやり取りする仕組み。
※3 Software as a Serviceの略で、インターネットを通じて利用するソフトウェア。
メリット
オンラインストレージの強みは利便性と安全性です。インターネット環境さえあれば、時間や場所を問わずPCやモバイル端末から最新の写真にアクセスでき、関係者とのリアルタイムな共有が容易になります。
さらに、アクセス権限も設定できるため、データ共有を効率化しつつ、同時にセキュリティも維持することが可能です。また、サービス提供者側では自動バックアップとサーバーの予備システムが運用されています。
そのため、自社でサーバーの運用・保守をする負担が要らず、PC故障や災害時のデータ消失リスクを低減でき、容量が不足しても簡単な手続きですぐに増量できます。
デメリット
デメリットはインターネット接続が必須であることです。通信環境が不安定な場所では、データのアップロードや閲覧に支障が出る可能性があります。
また、初期投資は低いものの、膨大なデータを保管するには月額または年額の利用料金が発生する有料サービスの加入が必要となります。
加えて、セキュリティはサービス提供元に依存するため、ID・パスワードの漏洩やサービス側の障害が発生した際は、自社では対応できず、データへのアクセスが停止するリスクも考えられます。
工事写真の管理方法④:工事写真管理アプリ/施工管理アプリ

工事業界で注目されている施工管理方法が、DXツールと呼ばれる「工事写真管理アプリ」や「施工管理アプリ」です。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、ITツールを導入して業務効率化を目指すだけでなく、企業やビジネスそのものを変革することを目指す取り組みを指します。
こうしたアプリは、工事業界特有の複雑な写真管理業務を抜本的に効率化するために開発されたSaaS型サービスです。
オンラインストレージと同じく、写真データはすぐにクラウドサーバーへアップロードされ、最新版をリアルタイムで共有することができるのはもちろん、電子小黒板や位置情報の記録など、工事業界に特化した様々な機能が搭載されています。
【関連記事】電気工事業界にDXが必要な理由とは?導入により電気工事会社が得られるメリット
メリット
工事写真管理アプリを導入するメリットは、作業時間の短縮と品質の向上にあります。
多くの工事写真管理アプリには、スマートフォンやタブレットで電子小黒板を自動合成できる機能が搭載されているので、手書きの黒板やカメラの持ち運びが不要になり、危険な場所での作業の安全性も向上します。
また、写真の情報(工種・位置・日付など)も、写真データに紐づけてクラウド上のオンラインストレージに自動保存されます。写真の仕分けやファイル名変更といった面倒な作業がなくなり、なかには工事写真台帳までシステムが自動で作成・出力してくれるアプリもあります。
国土交通省の基準に準拠した改ざん防止機能を搭載したアプリを選べば、写真データの信憑性が高まり、検査時の信頼性向上にもつながります。
デメリット
工事写真管理アプリを導入するデメリットとしては、継続的に利用料が発生する点があげられます。また、クラウド利用のため、現場の通信環境が不安定な場合、アップロードに支障が出る可能性があります。
加えて、新しいシステムの導入は、特にITに不慣れな作業員にとって操作の習熟に時間や教育コストを要する場合があり、アプリ利用のためのデバイス準備も必要になることがあります。データ管理を外部に委ねるため、サービス障害時のアクセス停止リスクも考慮が必要です。
はじめてのDXツール導入に役立つサービス

写真管理を効率化するためにツールの導入を検討しているものの、「どれを選べばいいか分からない」「導入コストが高いのではないか」「操作が難しそう」といった不安を抱えている方は多いかと思います。そういった方に役立つサービスが「DEN-UP(デンナップ)」です。
DEN-UPは、国土交通省の基準に準拠した写真管理アプリ「PhotoManager」や、台帳・日程表の作成に対応している施工管理アプリ「KANNA」など、工事現場を支える便利なアプリをまとめて提供しているトータル支援サービスです。
それぞれのアプリを個別で契約するよりもお得で、さらに困った時のサポート体制も充実しています。
【施工管理ツール「KANNA」の特徴】
- 現場別に顧客や物件情報を一元管理
- 入力項目を独自にカスタマイズ可能
- 入力済みのデータや写真から、写真台帳を簡単作成
- スマホで簡単入力!日報などの記入を効率化
【施工管理ツール「PhotoManager」の特徴】
- 図面上に写真を紐づけて記録可能
- 過去の撮影画像を表示して撮影時の画角調整をサポート
- 電子小黒板に対応、撮影した写真はクラウドで保存
- 公共事業における最新の電子納品ガイドラインに対応
工事写真管理は「自動化」の時代へ
今回は、工事写真の管理方法についてご紹介しました。
従来の方法にも様々なメリットがありますが、データでの納品が求められたり、協力会社からデータでのやりとりを求められたりと、時代はデジタルに移行しています。
働き方改革や労働力不足もあり、人にしかできない作業にリソースを集中させるためにも、自動化できる部分はDXツールの導入を検討すると良いでしょう。
写真管理を効率化する「DEN-UP(デンナップ)」

DEN-UPは、電気工事会社様に寄り添い、課題やお悩みをDXで解決するためのトータル支援サービスです。異なる機能を持つ以下のアプリケーションをまとめてご利用いただけます。
- 施工管理に役立つ「KANNA」
- 写真管理ができる「PhotoManager」
- 人材育成を支援する「電気工事のまなび場」
- ビジネスマッチングの「CraftBank」
DEN-UPなら、各ツールで登録した案件を紐づけて管理・閲覧できる「DEN-UP
ConnecT」という独自機能を使ってKANNAとPhotoManagerを連携させることにより、案件情報と現場の写真を一元管理することも可能です。
「DXに興味があるけど、何から始めればいいのかわからない」「直感的に使用できる、操作しやすいツールでDXを進めたい」とお考えの電気工事業者様は、電気工事にまつわる業務の効率化と生産性の向上、人手不足解消に役立つDXツール・DEN-UPの導入をぜひご検討ください!
