デジカメやスマホ、タブレット等の端末で撮った写真はソフトやアプリで編集できるため、もし撮影に失敗しても「後で編集すれば問題ない」と思ってしまいがちです。それでは工事写真の場合は、撮影後に工事黒板の間違いや不備に気が付いたら、画像を編集・修正してもいいのでしょうか。

そこで今回は、工事写真の工事黒板に記載ミス等の間違いがあった場合に、画像を編集・修正してもいいのかについて、間違いがあった場合の適切な対処法と一緒に紹介していきます。

工事黒板に書き間違いがあった場合や、工事写真の明るさや施工箇所について編集・修正してもいいのか改めて確認しておきたいという工事業者の方は、ぜひ参考としてご覧ください。

撮影後の工事写真や工事黒板の編集はNG!理由は?

工事写真の編集は、写真の信憑性を確保するという観点から、国土交通省の「デジタル写真管理情報基準」によって明確に禁止されています。工事黒板の記入漏れや書き間違いはもちろん、明るさ調整や不要な人物の削除なども含め、工事写真を編集・修正する行為は原則として「工事写真の改ざん」と見なされるため、国から文書による注意や罰則を受ける対象となってしまいます。

工事写真は、工事の進捗状況や内容、品質等の記録を目的として撮影・保存されるものです。

たとえ施工箇所でなくても、撮影後に少しでも編集・修正が行われたとなると記録や証拠としての工事写真の価値が失われるほか、その工事業者の社会的信用も大きく損なわれてしまうでしょう。

自社の事業と社員、職人を守り、今後も工事業者として存続していくためにも、工事写真の撮影後に画像編集で工事黒板の間違い等を修正することは、絶対にしないようにしてください。

電子黒板でも工事写真の編集・改ざんはできない

工事黒板には、大きく実物の小黒板にチョークで必要事項を記載して作成するアナログ版と、データ化された電子黒板にスマホ等の電子端末で必要事項を入力し、撮影画面に合成して使用するデジタル版の2種類があります。

実物の工事黒板の場合はデジカメで、電子黒板の場合はアプリやソフト等をダウンロードした電子端末のカメラで撮影するのが一般的ですが、どちらの場合も、撮影後に黒板の間違い等を編集・修正するのは改ざんに当たります。実物の工事黒板と同様に、工事写真に合成された電子黒板についても、撮影後の編集はできないと理解しておきましょう。

なお、電子黒板を使用するための工事黒板アプリ、電子小黒板アプリと呼ばれる各種のアプリや工事業者向けの現場写真管理ツールは、基本的に写真を編集する機能を搭載していません。

一方でほとんどのツールに、撮影された工事写真に対して一括で信憑性チェックを行うための改ざん検知機能が搭載されています。このように電子黒板の場合は、そもそも撮影後の工事写真を編集できない仕様になっているということも、併せて知っておくと良いでしょう。

【関連記事】工事黒板アプリでできること・選び方を解説! 電子小黒板の使い方やおすすめのアプリは?

工事黒板に書き間違いがあった場合の適切な対処方法

撮影後の編集・修正が禁止されている工事写真ですが、写真を撮影してから工事黒板の文字や内容に間違いがあったことに気が付いた場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。

工事写真に写っている黒板の内容に間違いがあった場合は、写真台帳のコメント欄(請負者説明欄や受注者説明欄等)に黒板の表記に誤りがあった旨を注釈として記載し、訂正します。

具体的には「※黒板誤記」と書いた上で、間違いと訂正後の内容がわかるように「誤△△→正□□」などと書いておくと良いでしょう。

なお、実物の黒板ではなく電子黒板の内容に間違いがあった場合も、同様の対応でOKです。
工事黒板に書き間違いがあったことに気づいた時は、その時点で該当の工事写真がどれか、また正しい記載内容についてメモしておき、写真台帳としてまとめる時に訂正してください。

工事写真の黒板で書き間違いをしないようにするには?

ここからは、工事写真の撮影時に工事黒板の書き間違いや記入漏れを防ぐためにできることについて紹介していきます。効果的な工事黒板の間違い予防策としては、大きく以下の2つが挙げられるでしょう。

【効果的な間違い予防策1】項目や書式をテンプレート化しておく

工事黒板の記入漏れを防ぐのに有効な対策としては、あらかじめ社内で工事黒板の記載項目や書き方をひと通り決めて、工事黒板用のテンプレートを作っておくことが挙げられます。

社内におけるテンプレートができていれば、現場や工事内容、撮影者が変わっても毎回同じ項目について記入するようになるため、重要な項目を書き忘れるといった事態を避けられるようになるでしょう。

なお、工事黒板に記載する項目を決める時は、国土交通省が「写真管理基準」で発表している以下の6つの項目を参考に、工事の「5W1H」が伝わる内容を意識して考えてみてください。

1. 工事名
2. 工種等
3. 測点(位置)
4. 設計寸法
5. 実測寸法
6. 略図

【関連記事】工事写真に使う工事黒板の書き方と注意点を解説! 電子化したい場合におすすめのアプリ情報も

【効果的な間違い予防策2】あらかじめ工事黒板を作成しておく

工事中に、工事作業の一環として工事写真を撮影する時は、何かとバタバタしがちです。計画通りに工事を進めなければならないという焦りやプレッシャーから、工事黒板の書き間違いも起こりやすくなってしまいます。

そこで、工事黒板の間違い予防策としておすすめしたいのが、撮影計画に基づいてあらかじめひと通りの工事黒板を作成しておくことです。

電子黒板を提供するアプリやツールの中には、撮影前にまとめて電子黒板を作成しておけるものもあります。そのため電子黒板を使って工事写真を撮る場合は、撮影計画が固まった段階で使用する工事黒板をひと通り作っておくと良いでしょう。

なお、実物の小黒板を使って工事黒板を作成する場合は、工事写真の撮影が必要な箇所・タイミング・内容をまとめたリストを作っておき、実際に黒板を作成し撮影する際に照らし合わせて、記載内容に誤りや漏れがないか確認することをおすすめします。

【関連記事】現場で工事写真を撮り忘れたらどうなる?撮り忘れた場合の対処方法や防止策をまとめて解説

工事写真・工事黒板の間違い予防には、電子黒板が便利

実物の工事黒板は誤記や内容の間違いのほか、天候や光の関係、設置場所等によって板面がきちんと写っていなかったり、書かれている文字が読み取れない場合にも撮り直しや訂正作業が必要になります。

工事黒板の書き間違いや板面が読み取れないことによる訂正を減らしたいなら、事前にまとめて工事黒板を作成でき、設置場所や写り方、筆跡の問題等による読みにくさが生じない電子黒板を使用するのが良いでしょう。

私たち「DEN-UP」がご提供している写真管理ツール「PhotoManager」なら、電子黒板と完全連携しており、撮影計画に基づいて事前に工事黒板を作成しておくことも可能です。

黒板の作成と撮影を事務所職員と現場作業員で分担し、あらかじめ作成しておいた工事黒板を撮影直前にダブルチェックできる体制にすれば、工事黒板の書き間違いや、間違えたまま工事写真を撮影してしまうリスクを大幅に減らすことができます。

工事現場における工事黒板アプリの使い方を具体的にイメージする際の参考として、ひと通りご確認ください。

そのほかにも以下のような機能を搭載しているため、写真台帳の作成まで含めた工事写真に関わる業務全般の効率化を目指す上で、非常に役に立つでしょう。

  1. 図面上に撮影箇所や過去に同地点で撮った工事写真を紐づけて登録する機能
  2. 工事写真の撮影時に、過去に同じ場所で撮った写真を表示して画角を調整する機能
  3. クラウドにアップした工事写真を、工事黒板の内容ごとに自動で仕分けする機能
  4. クラウド上の工事写真を使って電子納品ガイドラインに即した台帳を作成する機能
  5. 音声で工事黒板を入力する機能(※電気工事特化型、2025年3月現在iOS端末のみ対応)

工事写真における工事黒板の書き間違いを防ぎたいなら、電子黒板アプリや、電子黒板機能を搭載した現場写真管理ツールの導入をご検討の上、ぜひ「DEN-UP」までご相談ください。

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DEN-UPは、電気工事会社様に寄り添い、課題やお悩みをDXで解決するためのトータル支援サービスです。異なる機能を持つ以下のアプリケーションをまとめてご利用いただけます。

  • 施工管理に役立つ「KANNA」
  • 写真管理ができる「PhotoManager」
  • 人材育成を支援する「電気工事のまなび場」
  • ビジネスマッチングの「CraftBank」

DEN-UPなら、各ツールで登録した案件を紐づけて管理・閲覧できる「DEN-UP ConnecT」という独自機能を使ってKANNAとPhotoManagerを連携させることにより、案件情報と現場の写真を一元管理することも可能です。

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