
一般的に工事は、施主や発注者が指定する工期中にすべての工程を終えなければなりません。
そのため、工事の工程・原価・品質・安全を総合的に管理する工事管理(施工管理)には、それぞれの分野における工事の進捗状況を的確に把握・管理し続けることが求められるのです。
そこで今回は、工事の進捗管理をする方法や、効率化するための考え方、ツールなどについて解説していきます。建設・建築・設備などの分野に関わらず、いかに進捗管理を効率化できるかはすべての工事現場における重要な課題の一つですので、ぜひ参考としてご覧ください。
- 1.工事の進捗管理とは?基本的な方法と一緒に紹介
- 2.工事の工程管理と進捗管理の違いについて
- 3.工事の進捗管理、効率化のカギは「状況の見える化」
- 4.工事の進捗管理を効率化するためのポイントまとめ
- 5.【ポイント1】着工前に施工計画と工程表を作成する
- 6.【ポイント2】進捗状況を日々確認し、情報を更新する
- 7.【ポイント3】問題を把握したら、その時点ですぐ対応する
- 8.【ポイント4】柔軟に計画を練り直しながら進捗管理をする
- 9.工事の進捗管理の効率化には、アプリの導入がおすすめ
- 10.工事の進捗管理に役立つ施工管理アプリ「KANNA」
- 11.電気工事のDXトータル支援サービス「DEN-UP(デンナップ)」
工事の進捗管理とは?基本的な方法と一緒に紹介

まずは、工事の進捗管理がどのようなものか、一般的な方法と併せて確認していきましょう。
工事の進捗管理とは、現場においてそれぞれの分野・工程の工事がスケジュール通りに進んでいるか、遅延や問題が発生していないかといった進捗状況について把握・管理することです。
具体的な業務内容としては工程会議(定例会議)、または現場での聞き取りやチェックによって工事状況を把握し、関係各所へ共有するほか、遅れが生じている場合の問題や課題の解決といった対処・調整なども含まれてきます。
なお、工事の進捗状況について管理・共有する方法としては、施工会社や現場により以下いずれかのやり方を採用するのが一般的です。
- 紙にまとめて案件資料の一つとして記録、保管、共有する
- ホワイトボードに関係各社の進捗状況を書き出し、更新していく
- 工程をまとめた表計算ソフトなどを利用して管理する
- 施工管理アプリなど、進捗管理に便利なツールを使う
屋外で実施されることも多い工事は、天候の関係で数日〜数週間もの間作業ができなくなり、進捗が遅れることも珍しくありません。しかし、天候などのやむを得ない理由で工事が中断・遅延したとしても、工事全体の納期が延長になることはほとんどないと言って良いでしょう。
指定された工期中に工事を終えられないと、自社の経営状況や社員の労働環境を悪化させるだけでなく、工事業者としての信用を失ってしまう恐れもあります。
工事の進捗管理は、実際の工事状況に沿った最適なタイミングで資材と人員を手配し、スケジュール通りに工事を進めていくために欠かせない業務だと理解しておきましょう。
工事の工程管理と進捗管理の違いについて
工程管理と進捗管理は、どちらも「定められた期日までに工事を完了させるための管理業務」であるため混同されることが多いですが、厳密には、管理するべき対象範囲が異なります。
工程管理は、工事全体を工程ごとに細分化し、それぞれに期日や計画、目的等を設定して管理していきますが、進捗管理では各工程における作業の進捗状況に注目し、実際の工事状況をモニタリングしながらスケジュール管理していくのが特徴です。
工事の進捗管理は工程管理の一部であり、工事の実情に則したスケジュール管理が主な業務になると覚えておきましょう。
工事の進捗管理、効率化のカギは「状況の見える化」
先ほど少し述べたように、工事の進捗管理には紙やホワイトボードといったアナログツール、または表計算ソフトや施工管理アプリのようなデジタルツールのいずれかを使用します。
もともとは、紙やホワイトボードに工程をまとめ、進捗状況を記録・更新していく方法がとられていましたが、このようなアナログツールを使った方法では情報の確認と更新をするために事務所に戻らなければならず、書き換えにも時間がかかるといったデメリットがありました。
工事状況を随時把握し、トラブルにいち早く対処してスケジュールを調整することが求められる進捗管理において、情報の確認・更新・共有作業に時間がかかるアナログな手法は不向きだと言えます。
そこで近年、工事現場のDX化に伴い、工事の進捗管理を効率化する目的で推進されるようになってきたのが、デジタルツールを使って工事状況を見える化、つまりデータ化して進捗を記録・管理していく方法です。
工事状況を見える化できる、工事の進捗管理を効率化できるデジタルツールの具体例としては、共有ファイルサーバーやオンラインストレージと連携した表計算ソフトや、クラウド機能を搭載した施工管理アプリなどが挙げられます。
これらのデジタルツールは、紙に比べて書き直すのが容易である上、インターネットに接続できる環境ならいつでも、どこからでもリアルタイムで情報を確認・更新できます。 また数値や文字だけでなく、現場で撮った写真を投稿して共有することもできるため、現場の状況についてより詳細に伝え、記録を残す上でも大いに役立つと考えられます。
さらに関係者間で同じソフト・アプリを導入すれば、互いが登録した工事の進捗や各社の状況について視覚的にわかりやすく表示されるようになるため、情報共有にかかる手間と時間の削減や、情報の属人化を防ぐ上でもメリットが大きいと言えるでしょう。
工事の進捗管理を効率化するためのポイントまとめ
ここまでに見てきたように、ソフトやアプリをダウンロードした電子端末を使って工事の進捗管理を行うことは、現場の管理業務を効率化する上で非常に効果的です。しかし、管理業務に役立つデジタルツールを導入しただけでは、進捗管理の業務を効率化することはできません。
そこで以下からは、工事の進捗管理を効率化するための事前準備や、デジタルツールを使って業務効率化を達成するためのコツを4つのポイントに絞り、それぞれ紹介していきます。
【ポイント1】着工前に施工計画と工程表を作成する
工事の進捗状況を適切に把握・管理するには、現在の工事進捗が当初の予定や全体の工事スケジュールに対して遅れているかどうかを確認するための施工計画表、工程表を用意しておく必要があります。
着工前の施工計画の立案と工程表の作成は、工事全体をスムーズに進めるだけでなく、工事の進捗管理を効率化する上でも不可欠だと理解しておきましょう。
【ポイント2】進捗状況を日々確認し、情報を更新する
デジタルツールを導入したタブレットやスマホを使えば、工事の進捗についてリアルタイムで情報更新できるようになりますが、こまめに状況を確認・記録しなければ意味がありません。
定例会議で受けた報告内容を記録するのはもちろん、それだけではなく、少なくとも1週間に1回は実際に現場へ足を運び、工事の進捗具合をチェック・登録するようにしてください。
特に大きな建物の建設工事など、複数の工事業者が入る現場の場合、他社が担当する前工程の工事の遅れについて元請けから情報が下りて来ないケースもあります。実際に自社が工事に入ることができるタイミングや作業可能な日数、またその日数で工事を終えるのに必要な職人の数、最適な資材納入日などを正確に把握するためにも、自身の目で工事の進捗を確認し、情報を更新することが大切になってくるのです。
【ポイント3】問題を把握したら、その時点ですぐ対応する
こまめな工事状況の確認と登録により、工事のストップや遅延などのトラブルを把握したら、すぐに根本的な原因や問題の特定にあたり、被害が最小限になるように対処してください。
工事の進捗管理における最終的な目的は、工期中にすべての工事作業を完了させることです。
1箇所、1社の工事の遅れが、ほかの会社や全体の工事計画に悪影響を及ぼす恐れもあるため、問題を把握した時点で速やかに関係各社とコミュニケーションを取り、情報共有や具体的な解決策の検討を行いましょう。
【ポイント4】柔軟に計画を練り直しながら進捗管理をする
遅延やトラブルへの対策を検討した結果、計画全体の練り直しやスケジュールの再調整が必要になることもあるでしょう。そのような場合は、計画の変更が確定した時点ですぐに進捗状況を更新して、新しい工事日程や各作業におけるタスクの登録、またこれをもとにしたリソースの再配置が必要であることを関係者に周知・共有してください。
工事の進捗管理において、トラブルによる計画の見直しやリソースの再調整は付き物です。 そのような急なトラブルやスケジュール、タスクの変更についても、情報の確認・更新・共有が簡単なデジタルツールを使えば効率的に、かつ円滑に対処できるでしょう。
工事の進捗管理の効率化には、アプリの導入がおすすめ

情報の確認・更新・共有にかかる手間と時間を削減し、工事の進捗管理をより効率的に行いたいと考えているなら、工事関係者向けに作られた「施工管理アプリ」の活用がおすすめです。
施工管理アプリとは、工事のスケジュールや進捗について登録・管理するほか、クラウドに図面や写真などの資料をアップロードしたり、チャットで事務所や関係各所と情報共有する機能を持ったアプリの総称です。
工事の進捗管理ツールをアナログなものからデジタルなものに変更したい、または工事の進捗管理に関わる無駄を省き、業務効率化と労働環境の改善を達成したいと考えている工事業者様は、施工管理アプリの導入と活用を前向きに検討してみましょう。
なお、自社に合った施工管理アプリを選ぶための基準としては、以下の5点が挙げられます。
- 自社が求めている機能が複数搭載されているか
- 自社の社員、また関係会社や協力会社にとって使いやすいか
- 自社や関係会社、協力会社が持っている端末で利用できるか
- セキュリティ性能はどうか、トラブルへの対策がされているか
- 利用開始後、アプリを販売・提供する企業からのサポートはあるか
施工管理アプリの導入には、月額利用料などの費用がかかりますから、自社における導入の目的と予算に合った種類のアプリを選ぶようにしてください。
工事の進捗管理に役立つ施工管理アプリ「KANNA」
工事のDXトータル支援サービスである私たち「DEN-UP(デンナップ)」 では、サービスにお申込みをいただいたお客様に対し、進捗管理の効率化にも役立つ施工管理アプリ「KANNA」をご提供しています。
「KANNA」は、図面や写真などの案件資料、関係者とのチャット、スケジュールなどを現場別に一元管理できる施工管理アプリです。
「案件ボード機能」を使えば、自身が担当する工事案件の進捗がひと目で確認できるのはもちろん、会社全体が抱える案件の進捗も確認できるので、経営者が各現場の工事状況に合わせて適切な人員配置を考える上でも非常に役立ちます。
また、オプションサービスである「工程表機能」を利用すれば、案件ごとの細かなスケジュールの把握も可能になりますので、工事の進捗管理のためにアプリの導入を検討する際は、ぜひ私たち「DEN-UP」にもお気軽にお問い合わせください。
工事管理用DXツールなら「DEN-UP(デンナップ)」

DEN-UPは、電気工事会社様に寄り添い、課題やお悩みをDXで解決するためのトータル支援サービスです。異なる機能を持つ以下のアプリケーションをまとめてご利用いただけます。
- 施工管理に役立つ「KANNA」
- 写真管理ができる「PhotoManager」
- 人材育成を支援する「電気工事のまなび場」
- ビジネスマッチングの「CraftBank」
DEN-UPなら、各ツールで登録した案件を紐づけて管理・閲覧できる「DEN-UP
ConnecT」という独自機能を使ってKANNAとPhotoManagerを連携させることにより、案件情報と現場の写真を一元管理することも可能です。
「DXに興味があるけど、何から始めればいいのかわからない」「直感的に使用できる、操作しやすいツールでDXを進めたい」とお考えの電気工事業者様は、電気工事にまつわる業務の効率化と生産性の向上、人手不足解消に役立つDXツール・DEN-UPの導入をぜひご検討ください!