工事写真は原則として後から編集できないため、施工箇所と黒板の両方が明確に写り、かつ視認性(見やすさ)を保つことが求められます。
しかし現場では、

  • 黒板と施工箇所にピントが合わない
  • 暗くて黒板の文字が不鮮明になる
  • フラッシュで黒板が反射してしまう
  • 黒板と施工箇所のおさまりが悪い

…など、黒板の位置や撮影方法に関する問題が発生しがちで、「後から編集できないものか」と頭を抱える人も少なくありません。

そこで今回は、提出資料として使える工事写真を撮るための、黒板位置の工夫と撮影のコツをご紹介します。さらに、黒板の視認性を高める書き方や、近年導入が進む「電子小黒板アプリ」の特徴、電子小黒板アプリの導入で現場がどう変わるのかについても解説します。

工事写真の品質を高めたい方や、黒板の位置でお困りの方、電子小黒板アプリの導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

【お悩み別】工事写真の黒板位置はどこがベスト?

工事の状況を写真に記録する際、施工箇所と一緒に、工事名や日時、位置情報などを記入した小黒板(以下、黒板)を写しこむ必要があります。黒板の配置については、施工した箇所と被っていなければ特に指定はないものの、黒板の文字が判読できる状態で写っていなければなりません。

しかし現場によっては、太陽光が反射してうまく撮影できなかったり、屋内で太陽光が入らず暗くて不鮮明になったり、黒板にピントが合わなかったり…など、施工箇所と黒板の両方を鮮明に撮影するのが困難な場面があります。

ここでは、こうした撮影時にありがちな「黒板の位置」と「撮影方法」に関するお悩みと、その解決策についてご紹介していきます。

黒板位置のお悩み①:光の調節が難しい(暗い・反射する)

屋外では太陽光の反射で黒板の文字が読みにくくなったり、室内や夜間の工事では光量不足で全体が暗く不鮮明になることがあります。

まず反射対策として有効なのが、光源(太陽光や照明)が直接映り込まないように、撮影方向や黒板の角度を少し変えることです。黒板の表面に光が当たりすぎないように調整してみてください。

暗さ対策としては、カメラの設定を変える、または撮影用照明などの補助照明を活用します。

カメラの設定については、レンズに入る光の量(露出)を調整します。一番簡単な方法は、HDR(ハイダイナミックレンジ)モードを使って撮影する方法です。HDRモードは、明るさの異なる写真を複数枚撮影して合成してくれる機能で、明暗差が大きい場所でも、白飛びや黒つぶれを防いでくれます。

HDRモードでうまく撮影できない場合は、「F値(絞り)を小さくする」「ISO感度を上げる」「シャッタースピードを遅くする」ことで、露出を切り替えてみてください。同じ撮影位置から、露出が異なる写真を複数枚撮影しておくと安心です。

黒板位置のお悩み②:ピントが合わない

狭いスペースや近距離で撮影すると被写体との距離が近くなるので、黒板にピントが合うと施工箇所がボケてしまい、反対に施工箇所にピントが合うと黒板がボケてしまいがちです。

ピントが合いにくい理由はこの他にも、レンズのF値が小さすぎる、望遠レンズを使用している、カメラの位置がブレているといったことも考えられます。

解決策としては、黒板と施工箇所の距離をできるだけ近づける、F値を大きく設定して全体にピントが合うようにするといった方法が有効です。スマートフォンで撮影する場合は、画面の中央あたりで焦点をロック(フォーカスロック)してから撮影する方法もあります。
また、カメラの位置がブレてしまうことでピントが合いにくい時は、カメラの手ブレ補正をオンにするか、三脚を使って対策しましょう。

黒板位置のお悩み③:内容が読み取れない

現場では問題なく読めていたのに、写真上では黒板が小さすぎる・文字が小さすぎるなどで、判読できないことがあります。特に解像度の低い写真では、文字が潰れて読めないケースが少なくありません。

解決策としては、誰が見ても読めるように文字を大きく丁寧に書く、カメラが規定の解像度に設定されているか確認する、黒板の文字が十分な大きさで映るように距離や角度を調整しながら撮影するといった方法が有効です。

工事黒板はどう書くのが良い?書き方のポイント

黒板の視認性を上げるには、見やすい文字で丁寧に書くことの他に、「書く項目が統一されている」「書き方のルールが統一されている」ことも重要なポイントです。
まず、黒板に書く項目については、国土交通省が「写真管理基準」で発表している以下の項目を参考に、工事の「5W1H」が伝わる内容で書くことを基本としましょう。あらかじめテンプレートやフォーマットを作っておけば、あとは現場ごとの情報を落とし込んでいくだけなので、作業効率もアップします。

  1. 工事名
  2. 工種等
  3. 測点(位置)
  4. 設計寸法
  5. 実測寸法
  6. 略図

さらに、「1と7」「0とO」といった誤読しやすい文字には装飾を加える、重要情報は黒板の中央や上部に配置するなど、視認性を高める工夫も大切です。

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黒板が判読できない写真で提出したらどうなる?

黒板の文字が読めない写真を提出した場合、契約条件によっては不備とみなされ、差し戻しや再提出を求められることがあります。状況によっては、工事そのもののやり直しにつながるリスクもゼロではありません。

とは言え、すべてのケースで厳格に再撮影を求められるわけではありません。工事の種類や契約条件によっては、写真台帳に正しい位置情報や日時を記入していれば良いとされる場合や、他の資料や証拠で工事内容・品質・進捗状況を間接的に示すことができていれば良い場合もあります。

一方で、画像編集ソフトを使って文字を修正するのは改ざん行為と見なされ、重大なトラブルに発展しかねません。判明した時点で無理にごまかそうとせず、速やかに発注者や関係者に相談し、正式な判断を仰ぐことが最善策です。

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【関連記事】工事写真台帳の作り方とは?効率的に台帳作成するための6つの手順をご紹介

電子小黒板アプリを導入するメリットと注意点

上記でご紹介したような撮影時のお悩みは、電子小黒板アプリを導入することで大きく改善できます。
電子小黒板アプリ(工事用電子黒板アプリ)とは、工事写真を撮影する際に必要な情報を、写真データに直接合成できるソフトウェアです。スマートフォンやタブレットにインストールして使うもので、デジタルで作成した工事黒板を写しこんで撮影する仕様になっています。

次に、電子小黒板アプリを導入することで現場がどのように変わるのか、具体的なメリットと、導入時の注意点をご紹介していきます。

【関連記事】工事黒板アプリでできること・選び方を解説!電子小黒板の使い方やおすすめのアプリは?

電子小黒板アプリを導入するメリット

アナログの黒板では、設置位置や天候、撮影角度、光の当たり方を気にしながら撮影する必要がありますが、電子小黒板なら、黒板情報を撮影データに直接合成できるため、こうした外的要因に振り回される心配がほとんどなくなります。

さらに、GPSを利用した自動入力機能を備えたアプリであれば、位置情報が自動で記録されるため、わざわざ入力する手間がなくなるうえ、入力漏れの防止にもつながります。

加えて、撮影した写真が「どの現場で・いつ記録されたものか」が自動で紐づけられるので、整理や確認にかかる負担を大幅に軽減できます。

そして何より、黒板そのものを持ち運ぶ必要がなくなる点も大きなメリットです。これまで複数人で行っていた準備や撮影作業を、電子小黒板アプリなら一人でもスムーズに完結させられるようになります。

電子小黒板アプリ導入の注意点

メリットが多い一方で、電子小黒板アプリにはいくつか注意点もあります。
まず、電子小黒板アプリはインターネットを通じて写真データをクラウドに保存する仕組みとなっています。そのため、山間部などの電波が届かない環境では、リアルタイムでの保存・共有ができないなど、一部の機能が制限される場合があります。

さらに、粉塵や雨といった過酷な環境では、スマートフォンやタブレットそのものが破損するリスクも考慮しなければなりません。

加えて、導入には初期費用や月額利用料といったランニングコストが発生します。

このように、電波環境・端末の耐久性・費用面といった条件を総合的に踏まえ、自社の施工環境や予算に適しているかをしっかり検討した上で導入を進めることが大切です。

【関連記事】現場の業務を効率化!工事写真の管理ソフト・アプリでできること・選ぶ際の注意点とは?

電子小黒板アプリは「PhotoManager」がおすすめ

PhotoManager(フォトマネージャ)」は、写真を図面に紐づけて管理できる工事写真管理システムです。

あらかじめ工事写真の撮影が必要な箇所を図面に登録し、スマートフォンやタブレットで専用の電子小黒板アプリを起動して撮影すると、図面と連動して保存が可能。施工前・施工中・施工後の写真をそれぞれ紐づけて保存できます。

撮影地点ごとに過去の工事写真を呼び出せるため、同じ画角での撮影や進捗確認が容易になりますし、撮り忘れの防止にもつながります。

DXトータル支援サービス「DEN-UP」でさらに便利に!

DEN-UPは、電気工事会社様に寄り添い、課題やお悩みをDXで解決するためのトータル支援サービスです。異なる機能を持つ以下のアプリケーションをまとめてご利用いただけます。

  • 施工管理に役立つ「KANNA」
  • 写真管理ができる「PhotoManager」
  • 人材育成を支援する「電気工事のまなび場」
  • ビジネスマッチングの「CraftBank」

DEN-UPなら、各ツールで登録した案件を紐づけて管理・閲覧できる「DEN-UP ConnecT」という独自機能を使ってKANNAとPhotoManagerを連携させることにより、案件情報と現場の写真を一元管理することも可能です。

「DXに興味があるけど、何から始めればいいのかわからない」「直感的に使用できる、操作しやすいツールでDXを進めたい」とお考えの電気工事業者様は、電気工事にまつわる業務の効率化と生産性の向上、人手不足解消に役立つDXツール・DEN-UPの導入をぜひご検討ください!

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